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おじいちゃんはいつも新しことを体験させてくれたね。思い出はたくさんあるけど、その中でおじいちゃんの器用で芸術的なところ、ユーモアあふれるエピソードをいくつか話すね。
小学校低学年のとき、夜になかなか寝付けずおしゃべりをしていた私たちを見かねて、おじいちゃんが子供部屋に投入されたね。もちろん「静かに寝付かせるために」。でもおじいちゃんが自分の若いころの話をおもしろおかしく話すから、私たちはさらにヒートアップ。しまいには目はギンギンに冴えわたって爆笑まで巻き起こる始末やったね。おじいちゃんの任務は失敗に終わったけど、暗い部屋の中でお腹を抱えて笑ったあの夜は今でもよく覚えてるよ。
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手先が器用なおじいちゃんはいつも手早くモノを作ってくれたね。本物の竹を使った手作りの竹馬で遊ばせてくれたし、夏休みの作品もおじいちゃんに相談すると工場へ連れてってくれて一緒に作ってくれたね。おじいちゃんは絵も上手でおじいちゃんが描いているのを横でマネして描いてたら、新聞の絵のコンテストで入賞したの覚えとる? そのほかにも好きなお菓子があると2,3個じゃなくて箱買いしてくれたり、部活の試合の応援にきてくれたときは、近所のスーパーのアイスクリームを買い占めて差し入れてくれたね。
社会人になって仕事から帰るといつも「ごくろうさん」とか「かわいいかわいい千恵ちゃん」と言ってくれたね。その言葉に癒されて、一日の疲れがふっとんだよ。私はお菓子作りが好きで、私が作ったお菓子を「おいしいおいしい」と食べてくれたよね。おじいちゃんは字がとてもきれいだったから、家族の誕生日にはいつも一言メッセージを書いてくれたよね。おじいちゃん、ずっと大好きだよ。
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おじいちゃんは小さい頃よく一緒に野球をしてくれて、あまりに真剣に投げるから、僕は空振りばかりしていました。川へも連れて行ってくれて魚つかみもさせてくれたね。行動派で意外性のあるおじいちゃんは僕たちの好奇心を満たすばかりか、いつも想像を上回る体験をさせてくれたね。そのダイナミックさは僕たちの子供心をわしづかみにしていたよ。将来おじいちゃんみたいなお父さん、おじいちゃんになって、与えてくれたことを子供たちに伝えていくからね。
おじいちゃん、いままでありがとう。これからも私たちのことを見守っていてね。
大介・幸恵・彩・千恵 より
2012.4.21 孫4人からの弔辞より引用
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