July 30, 2012

Fuji Rock Festival 2012



本当にすごかった。本当に行ってよかった。

井上陽水が泣けた。初めてみるRadioheadは十分すぎるほどに圧倒的だった(通の人達いわく2003年は超えられないらしいけど)。トム・ヨークにかなり引きつけられた。冗談ぬきに自分の細胞が覚醒していたのがわかった。ヘトヘトに疲れ果てていたのに、いつまでも聞いていたいって思った。実はそんなにRadioheadのファンではなったし、こういう機会がないと見ることがなかったと思う。あの空間に立ち会うことができて本当によかった。ラッキーだった。

こちらの写真はJack Whiteの「Seven Nation Army」をやっていたとき。このときの会場の一体感といったらなかった。



ベストアクトはやっぱりThe Shinsだった。選手と一緒にようやく見られた、4年越しの願いが叶った。「Phantom Limb」のイントロがきた瞬間にわたしたちのルーツPDXの日々へ瞬時にフラッシュバックした。音楽と記憶のリンクって凄い。せつなくなってちょっとウルっとしながら、うれしくて心底はしゃいで叫んで、感情のカオスに対処ができずにとりあえず飛び跳ねてた。選手が横にいて本当にうれしかった。

FUJI ROCK FESTIVAL 2012 from aya nakashima on Vimeo.


こちらはradioheadが始まる直前の様子。山の上のほうまで人に溢れてて、フェスへの動員数も例年の3、4割増だったそう。アーティストのラインナップも豪華で、雨も降らず、いろんな意味で奇跡的な年だった、と友達が言っていた。

帰宅した今は、日焼けと疲労でグッタリ。脱力感でぼけーっとしてます。

July 24, 2012

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そーゆーことなんです。

July 23, 2012

Discover Japan

箱根まで日帰り温泉に行ってきました。

10時半すぎに渋谷を出発、12時前には箱根湯本に到着。都内から車で一時間半もかからず行けてしまうという。予想以上に近いのですね、箱根は。曇天のせいか、日曜日にも関わらず箱根町を走っていてもあまり混雑した様子はみられません。

さっそく今日の目的地、温泉へ。「一休」という立ち寄り湯にいったのですが、それが絵に描いたような風流で完成度の高い空間でした。苔にまみれた山肌からわき水が小さな滝のように流れていて、青い紅葉が空を覆い、30分に一度ほどゴーンという鐘の音が聞こえます。真夏日が続いた中、今日はつかの間の涼しい一日でした。身体の内側までポカポカ浸透するまろかやかなお湯と、ヒンヤリした外気。考えを巡らせながら出たり入ったり、湯あたりすることもなく気づいたら2時間近く入っていました。それにしても長過ぎたかな。



湯上がりは箱根の山が見渡せる廊下に腰掛けて一休み。汗がスーッとひいていきます。それにしても、ここの温泉の効能はすごい。その後数時間はお肌がしっとりもちもちしてました。私が長湯しすぎたせいで、気づいたらもう2時に。急いでランチへむかいます。



本日をもちまして、わたしの好きな食べ物No.1は麦とろごはんになりました。お寿司は2位に降格です。「しずく亭」という自然薯料理で有名なお店で麦とろをいただきました。押し麦ごはんのぷちぷちした食感に、ねばーとしつこいくらいにからむ自然薯。薬味として野沢菜、伽羅蕗、海苔、ねぎ、わさび、そして備長炭で焼いたあじの干物を麦とろごはんに乗っけて食べます。天才的なハーモニーでした。



お腹も満たされたところで、車に戻るとはやてぃの口から「箱根神社には縁結びの神様がおるねんで」のひと言がポロリ。瞬間的に食いついていました。というわけで芦ノ湖沿いを走り箱根神社へ。近頃しょぼんぬだった私は、割と真剣にお祈りをしました。「好きな人から好かれますように」。



箱根神社の境内から鳥居をくぐって石段を降りて行くと、芦ノ湖のほとりにたどり着きます。大きな鳥居の下から一面に広がる芦ノ湖。どこかの方角に向けてブツブツと何かをつぶやきながら真剣に願掛けしている女性がいました。そのガチな後ろ姿を見て、自分だけではないと、みんないろいろ抱えているのだな、と肩の荷が降りた思いがしました。



天候や湯煙も手伝い今日の空は一日中グレーで、温泉にしろ、箱根神社にしろ、箱根の町全体がしっとりと静かな印象を受けました。そして山の石は苔に覆われていて、高く伸びる木や竹は深い緑で、久しぶりに日本の「緑」を見た気がしました。内に秘めた静かな強い意思を感じる濃い緑です。このグレーと緑の組み合わせは日本でしか見れないのではないでしょうか。

アメリカから戻ってから、ふと「日本ってすごい」と思う瞬間があります。温泉にしろ、自然薯にせよ、スモックがかった苔が茂る神社にせよ、日本って本当にユニークな国ですね。しかもそれを感じられる場所が都内からこんな近い所にあるなんて。次に海外からお友達が来たら胸をはって箱根をオススメします。

それにしてもこの素晴らしい一日をおくれたのは、すべてホスピタリティに溢れるはやてぃのおかげ。こんな充実した曇りの日はそうそうありません。ありがとう。

「ディスカバー・ジャパン」な一日でした。

July 16, 2012

『はじめての編集』と『あの頃ペニー・レインと』



菅付雅信さんの『はじめての編集』を読みました。

こちらのプロフィールにもあるように、バブル期も通じて出版、広告の舞台の第一線にいた人です。紹介される事例、作品も美的センスがキレキレなものばかりで、ハンパないモノ作りへのこだわりが伝わってきました。これぞ私が昔に想像していたカリスマ雑誌編集者、という感じ。

菅付さんは雑誌メインで活躍された方で、本書の中に登場する事例も雑誌のことが多かったのだけど、私が担当しているのは「ターゲットメディア」であり、やはり雑誌と通ずる部分が多くあって勉強になりました。特に5章後半と6章あたりが自分の環境と親和性が高かったです。

忘れないように、ポイントをメモメモ。

・編集とは「企画を立て、人を集め、モノをつくる」こと。
・編集は、言葉とイメージとデザインの3つの要素を駆使したアンサンブル
・「新しくて魅力的な表現」をつくるためには、「過去のことと外のこと」を知ることが必要
・ネットの情報の多くはセカンドハンド
・ネットメディアの世界では、ファーストハンドの情報が減りつつあるので、その重要性が増している


自分は本当にまだまだだなーって思いました。まずはもっと足を動かさないと。つまり「自分の目でみて、体験したことに基づく記事、情報を届けること」。著者の言葉を借りると「ファーストハンド」です。当面の目標はこれでいこうと思います。そのためには人にもっともっと会っていかないと。

最後に余談。著者は国内外のアート、デザイン、映画、音楽に関して並外れた知識があるようで、多方面からの引用や事例が出てきました。その中ですごく気になったのがキャメロン・クロウ監督の『あの頃ペニー・レインと』という映画。



若干15歳でローリングストーンズ誌のライターとして活躍した少年のお話です。本文には「音楽オタク少年の童貞喪失記という意味では70年代アメリカ版『モテキ』ですね」、とか書いてあって、興味が湧いて見てみました。これが『モテキ』かどうかは置いといて、すごくハマってしまって結局DVD買っちゃいました。やっぱり青春映画には弱いみたい。

主人公の人との関わりかたにすごい好感を持ったのと、次々に新しい世界の扉をあけいくあの躍動感と興奮が、自分のポートランド時代と少しだけ重なって見えた、ということもあります。そしてバスの中でみんながエルトンジョンの「Tiny Dancer」を歌うシーン。恥ずかしくなるほどベタなのに、どうしてあんなにキラキラして見えるのか。きっと誰にでもある「あの頃」をツンと突っついてくる、そんな映画なのだろうと思います。