July 16, 2012

『はじめての編集』と『あの頃ペニー・レインと』



菅付雅信さんの『はじめての編集』を読みました。

こちらのプロフィールにもあるように、バブル期も通じて出版、広告の舞台の第一線にいた人です。紹介される事例、作品も美的センスがキレキレなものばかりで、ハンパないモノ作りへのこだわりが伝わってきました。これぞ私が昔に想像していたカリスマ雑誌編集者、という感じ。

菅付さんは雑誌メインで活躍された方で、本書の中に登場する事例も雑誌のことが多かったのだけど、私が担当しているのは「ターゲットメディア」であり、やはり雑誌と通ずる部分が多くあって勉強になりました。特に5章後半と6章あたりが自分の環境と親和性が高かったです。

忘れないように、ポイントをメモメモ。

・編集とは「企画を立て、人を集め、モノをつくる」こと。
・編集は、言葉とイメージとデザインの3つの要素を駆使したアンサンブル
・「新しくて魅力的な表現」をつくるためには、「過去のことと外のこと」を知ることが必要
・ネットの情報の多くはセカンドハンド
・ネットメディアの世界では、ファーストハンドの情報が減りつつあるので、その重要性が増している


自分は本当にまだまだだなーって思いました。まずはもっと足を動かさないと。つまり「自分の目でみて、体験したことに基づく記事、情報を届けること」。著者の言葉を借りると「ファーストハンド」です。当面の目標はこれでいこうと思います。そのためには人にもっともっと会っていかないと。

最後に余談。著者は国内外のアート、デザイン、映画、音楽に関して並外れた知識があるようで、多方面からの引用や事例が出てきました。その中ですごく気になったのがキャメロン・クロウ監督の『あの頃ペニー・レインと』という映画。



若干15歳でローリングストーンズ誌のライターとして活躍した少年のお話です。本文には「音楽オタク少年の童貞喪失記という意味では70年代アメリカ版『モテキ』ですね」、とか書いてあって、興味が湧いて見てみました。これが『モテキ』かどうかは置いといて、すごくハマってしまって結局DVD買っちゃいました。やっぱり青春映画には弱いみたい。

主人公の人との関わりかたにすごい好感を持ったのと、次々に新しい世界の扉をあけいくあの躍動感と興奮が、自分のポートランド時代と少しだけ重なって見えた、ということもあります。そしてバスの中でみんながエルトンジョンの「Tiny Dancer」を歌うシーン。恥ずかしくなるほどベタなのに、どうしてあんなにキラキラして見えるのか。きっと誰にでもある「あの頃」をツンと突っついてくる、そんな映画なのだろうと思います。

2 comments:

Unknown said...

Ayaさんのブログ読んで早速「あの頃ペニー・レインと」見ましたよ。音楽がとっても素敵な映画でしたね。Tiny Dancer合唱のシーンは確かに最高でした。あんな青春送るのにはもう遅いですかね?w

ayabean said...

すごいステキな映画だよね。

青春かあ。そのときは「いまが青春期」だなんて、なかなかわかんないもんね。いや、でもショウくんはカリフォルニアのビーチにいる時点で毎日が青春だと思うよw 超うらやましいよお!